鍛え上げられた身体をアクロバティックに躍動させ、リズムやビートに合わせて創造性を駆使して踊り、対峙する相手とバトルするブレイキン。日本人選手の活躍も期待される、今、最も注目されている競技である。本作は、現在のトップクラスで活躍するブレイカーが集まり、本物のブレイキンの世界を作り上げながら、世界一のブレイカーを目指す兄弟の奮闘と絆を描いた心を熱く燃やす感動の作品に仕上がっている。
監督は、ストリートダンス選手権で優勝を目指す若者たちの成長を描き、大ヒットシリーズ『ストリートダンス』(2010-2012)を手がけた ダニア・パスクィーニとマックス・ギーワ。主演はカラム・シンとケルビン・クラーク。カラムはイギリスのブレイキン強化選手で世界的にも有名なブレイカーであり、ケルビンはダンスグループに所属して世界ツアーを行っているトップパフォーマーだ。オーディションではブレイキンでも演技力でも他の候補者を圧倒。2人は幼いころから一緒にブレイキンをしていた親友同士だったため、脚本の読み合わせの時にもその絆が光っており、両監督は主役にふさわしいブレイカーを見つけたと確信した。振付は、世界屈指のブレイキンチームのメンバーのニーク・トラア。
また、劇中には、チームジャパンとして2005年に京都で結成された「BODYCARNIVAL」が登場する。爆発的で独創性に富んだ日本が誇る世界のトップチームの出演にも要注目だ。

幼いころ、ブレイキンのパートナーだったトレイとベンジー。仲のよい兄弟だったが、ある事故が原因で対立し、目を合わすこともなくなった。優等生のトレイは大学進学を目指して勉学に励み、ブレイキンに夢中なベンジーは注目される存在だが、父親に反抗して家にもよりつかない。家族で祝うはずの父の誕生日会もすっぽかし、連れ戻しに来たトレイの言葉に耳も貸さない。2人はブレイキンで対戦し決着をつけようとするが、その様子がSNSで拡散され、世界選手権のイギリス代表の選考会に招待される。突然やってきた大きなチャンス。すべてを投げ出して代表チーム入りを目指す。厳しいトレーニングに耐え、最終選考に残り、関係もゆっくり改善し始める。しかし、大会直前にある出来事がベンジーを襲う。再三、チームの危機を乗り越えて勝ち進むイギリス代表だが、決勝の舞台には無敵のフランス代表が立ちはだかる。個性を出し合い、チームとして協力しなければ、勝ち目はない。果たして2人は、チームを世界一に導けるだろうか?

「子供の文化とファミリー市場の両方に大きな影響を与えるヒット作の監督としては、業界では『マックス&ダニア』として知られるペアが抜きん出ている。」
スティング、クレイグ・デイヴィッド、エルトン・ジョン、オアシス、ウータン・クラン、ワイクリフ・ジョンなどのアーティストのミュージックビデオを撮影して長年腕を磨いてきたため、ポップカルチャーが基礎になっている。ソー・ソリッド・クルーの「21 Seconds」のミュージックビデオでブリット・アワードを受賞。シャーロット・ランプリングも出演している『ストリートダンス/TOP OF UK』(2010)を手がけ、大ヒット。イギリスでオープニング興行成績第1位を飾った唯一の非米国産独立系作品である。30か国以上で上映され、最終的に全世界興行収入は4000万ポンド(約80億円)に上った。『ストリートダンス/TOP OF UK』(2010)と続編の成功を受け、映画監督マイク・リー、リン・ラムジー、アシフ・カパディアらと共に文化オリンピアードに招待され、ラドヤード・キップリングの詩を現代的にアレンジした短編「What If」(2012)を制作している。続いて2014年に『踊るアイラブユー♪』を制作した。ジェマ・アータートンの妹ハンナ、ケイティー・ブランド、歌手のレオナ・ルイス、グレッグ・ワイズ、アナベル・スコーリーらが出演するイタリアのプーリアを舞台にしたこの作品は、ABBAのジュークボックス・ミュージカル映画『マンマ・ミーア!』(2008)を彷彿とし、マドンナの「ホリデイ」からヒューマン・リーグの「愛の残り火」まで1980年代のヒットソングの数々をフィーチャーした。

映画プロデューサー兼フューチャー・アーティスツ・エンターテインメントCEO。 フューチャー・アーティスツ・エンターテインメントは3年間で12本の映画(スカイ・スタジオ5本、Amazon2本、Netflix1本)を製作し、かつてない規模で映画界へ進出した。
最近の製作作品には、ラッセル・クロウ監督主演『ポーカー・フェイス/裏切りのカード』(2022)、イギリスのNetflixで第1位となったロリー・キニア、ジョエル・フライ、フィービー・ディネヴァー出演「Bank of Dave」(2023)がある。最新作は、タナー・ブキャナン、ニック・フロスト、チャリトラ・チャンドラン出演の『ビリー・ウォルシュとデートする方法』(2023)が配信中。

ロンドンを拠点とし、ファッション、コマーシャル、ミュージックビデオ、映画を幅広く手がける。その撮影スタイルは一貫して芸術的で力強いが、常に商業的な魅力もある。
ストームジー、デヴィッド・ゲッタ、リトル・ミックス、AJトレーシー、リリー・アレンなど、さまざまなジャンルの有名ミュージシャンのミュージックビデオを撮影。
これまでの参加作品には、ハリー・ロイド、ジェームズ・フォークナー出演の映画「As I Am」(2019)、コメディ・セントラルの番組「East Mode with Nigel Ng」(2022)などがある。

南アフリカ/ドイツのプロダクションデザイナーで、11年前に偶然映画に関わるようになった。建築と造園のバックグラウンドを持ち、そのコンセプトは建築と現代芸術そしてストーリーテリングへの深い理解に基づく。
映画『ギヴァー 記憶を注ぐ者』(2014)、『ザ・ガンマン』(2015)、『紅海リゾート -奇跡の救出計画-』(2019)、「Jeepers Creepers: Reborn」(2022)で知られる。
参加したテレビ番組には、「Black Sails/ブラック・セイルズ」(2014~2017)、「ウォリアー」(2019)、「Noughts + Crosses」(2020)などがある。

オランダのブレイキンチームであるラゲッズのメンバー。競技とパフォーマンスの両方で活躍しているチームで、独創力と個性で知られ、世界規模のツアーを行っている。ニークは芸術監督、振付師であり、バトル・オブ・ザ・イヤー、Hip Opsession、R16などの大会で優勝しているブレイカーでもある。映画『ストリートダンス/TOP OF UK』(2012)に出演、テレビの特別番組「Red Bull BC ONE Tokyo」でも取り上げられている。

イギリスの予選会のチャンピオンであり、ブレイキン強化選手団のメンバーでもある。世界一を目指して、パリ2024オリンピックの有力選手となるために努力を続けている。
2006年、8歳の時にミュージックビデオで初めて見てブレイキンを始める。すぐに地元のクラスに参加し、初めてのダンスチーム「トリニティ・ウォーリアーズ」に所属。トップを目指す意志のおかげで急激に成長し、2008年には大きな国際大会に出場するようになる。そのうちUK B-Boy Championshipsでは、当時最年少の出場者だった。年月を経て国際的に著名なブレイカーとなり、世界中の多くの大会で優勝。11歳からは国際大会であらゆる年齢の相手と戦ってきた。2017年には競技に加えてスポーツコーチングと開発の学位取得のため勉強を始め、無事卒業した。体や外部の要素について学び始め、パフォーマンスに生かしたことで人生最大の成果につながった。2019年にはUK B-Boy Championships World Finalsでソロチャンピオンになり、2020年にはRed Bull BC One UK Cypherで優勝。同年Red Bull BC One World Finalに出場し、同大会の20年の歴史上3人目のイギリス代表となった。
カラムの労働倫理とポジティブな態度はモデルやダンサーとしての仕事にも現れている。ソーシャルメディアでも積極的に発信しており、TikTokのフォロワー数は約23万人に及ぶ。ナイキがスポンサーについた初の男性ブレイカーである。WDSF ブレイキンヨーロッパ選手権の銀メダリスト、正式にイギリスチームに選出された最初のブレイカーである。

わずか8歳の時にイングランドのダービーで「トリニティ・ウォーリアーズ」というダンスチームに所属して以来、世界中で大会に参加し、イギリスでも数々のタイトルを獲得しており、イギリストップクラスのブレイカーとして知られている。現在は競技からは離れ、「ダイバーシティー」という世界的に著名なダンスチームに所属し、ダンスのパフォーマンスの部分を追求するようになる。ツアーで国内を回り、「ブラック・ライブズ・マター」をテーマとし、「ブリテンズ・ゴット・タレント」でのパフォーマンスを始めとする多くの有名なパフォーマンスにも参加した。ダンス以外にもルイ・ヴィトン、ナイキ、ASOS、ブーフーマンなど多くのブランドのモデルを務めている。演技は始めたばかりながら、本作以後もアリソン・ラシュレーの指導を受けて知識を深めている。

イギリスの俳優。マーベル作品のエイヴァ/ゴースト役で知られる。『アントマン&ワスプ』(2018)に続き、「THUNDERBOLTS」(2025)にも同役で出演する。
その他に映画『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』(2021)のジル・バレンタイン役、Netflixミニシリーズ「ザ・ストレンジャー」(2020)のタイトルロール、ピーコックのテレビシリーズ「BRAVE NEW WORLD/ブレイブ・ニュー・ワールド」(2020)のヘルム・ワトソン役、スティーヴン・スピルバーグ監督作『レディ・プレイヤー1』のフナーレ役、HBO「ゲーム・オブ・スローンズ 第六章:冬の狂風」(2016)のオルネラ役、SFテレビシリーズ「KILLJOYS/銀河の賞金ハンター」(2015~2019)のダッチ役、ダグラス・ブースとのW主演ホラー映画「Unwelcome」(2022)など。

大好評のHBOシリーズ「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」(2022)で少女時代のアリセント・ハイタワーを演じ、注目を集めているイギリスの若手俳優。この作品はゴールデングローブ賞のドラマシリーズ部門にて作品賞を受賞、放送映画批評家協会賞のドラマシリーズ部門作品賞にノミネートされた。アリ・フォルマン監督のアニメ映画『アンネ・フランクと旅する日記』(2021)でアンネの声優を務めた。出演作のBBCのヒットドラマ「ゲット・イーブン ~タダで済むと思った?~」は、BBC iPlayerで配信開始後の2週間に100万回以上もダウンロードされた。その他のテレビ出演作にはBBC One「Casualty」(2014~2021)などがある。パティ・ジェンキンス監督ガル・ガドット主演の大ヒット作『ワンダーウーマン』での少女時代のダイアナ役と、アリシア・ヴィカンダー主演『トゥームレイダー ファースト・ミッション』(2018)での少女時代のララ・クロフト役で国際的に知られている。

ドイツのケルンで育ち、子供の頃から器械体操を習っていたが、サーカスの技に自由な創造性を感じ、シルクとアクロバットのエアリアルの技を主に練習するようになり、同時にマジックと演技も学ぶ。母親がテレビでバトル・オブ・ザ・イヤーを見てクラスに申し込み、13歳でブレイキンを始め、以来ブレイキンカルチャーは彼女の情熱の対象であり、ライフスタイルである。主な成績は、WDSFブレイキン世界選手権の中国大会とフランス大会で2つの銅メダルを獲得。アウトブレイク・ヨーロッパ(スロバキア)やシルバーバック・オープン(アメリカ)などの国際大会でも決勝に進出している。現在ドイツのBガールチャンピオン。
現在ナイキがスポンサーとなっており、ロンドンのピカデリーサーカスやニューヨークのタイムズスクエアなど世界中で巨大広告に登場した。

タンザニア系イギリス人俳優。スカイ・アトランティックのシリーズ「ギャング・オブ・ロンドン」(2020~2022)でエド・ドゥマニ役を演じた。HBOシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」(2012~2014)、「S.A.S. 英国特殊部隊 アルティメット・フォース」(2005)、「MI-5 英国機密諜報部」(2006)にも出演している。2008年にはBBC/HBO製作シリーズ「ようこそ!No.1レディース探偵社へ」でマテコニ役を演じた。「刑事ジョン・ルーサー」(2013)、「キケンな女刑事 バック・トゥ・80’s」(2010)、「ドクター・フー」(2010)、「TABOO」(2017)、「ミステリー in パラダイス」(2013)にはゲスト出演している。「ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤」(2019)では、ジョン・ファー役を演じた。その他の出演作には、「The Chemistry of Death」(2023)、『ザ・バンク 堕ちた巨像』(2009)、ラウル・ペック監督作『ルムンバの叫び』(2000)、ロジャー・ホーキンズ監督のアニメ映画「The Legend of the Sky Kingdom」(2003)、ルパート・グールド監督『嘆きの王冠 ~ホロウ・クラウン~/リチャード二世』(2012)などがある。また舞台の経験も豊富で、ジンバブエのオーバー・ザ・エッジ劇団の創設メンバーであり、イギリスのティアタ・ファフォジ劇団の元芸術監督でもある。

劇中のチームジャパンは2005年に京都で結成された「BODYCARNIVAL」のメンバー。 爆発的で独創性に富んだチームで、現在も世界のトップに君臨し、日本代表として「BATTLE OF THE YEAR」や「R16」などの世界各国の大会に参加している。メンバーそれぞれが自分の個性を追求し、チームとして表現することで、より深いものを探求することをテーマにしている。独特のコラボレーション手法と強い団結に基づく構成力は見るものを魅了し、世界中から称賛されている。現在も現役でありながら、メンバーの一人一人が後進の育成、地域の発展に積極的に取り組み、社会貢献を目指すなど常に新たな挑戦を続けている。

1970年代にニューヨークのサウスブロンクス地区のアフリカ系アメリカ人やラテンアメリカ人の若者達によって発展したストリートダンスのスタイルであり、ギャングが抗争をまとめるために武器の代わりにブレイクダンスを用い、発展していったと言われている。間奏ばかりを流す音楽をBreak Beats、Break Beats で踊るダンスはブレイキン、踊る人を Break Boy(B-Boy)、または Break Girl(B-Girl)と言う。
80年代には全米各地に普及し、ニューヨークの大規模なバトルは多くのメディアに取り上げられ、急速な成長へと繋がり、テレビ番組や映画、イベントなどにも進出し、人気を獲得していった。
90年代に入ると世界大会が開催され、その後、2000年代に入ると北アメリカ、ヨーロッパ以外にも、東アジア、東南アジア、西アジア、アフリカ、オセアニア、ブラジル、ロシアなどにブレイクダンス・シーンは拡大し、現在ではB-boy B-girlは世界中に存在する。

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